- 2014-05-15 (木) 13:51
- 筑陽学園
4月20日(日)に、本校の郷土史研究同好会が宝満山十六詣りに参加し宝満山に登りました。
宝満山十六詣りとは
昭和初期まで行われていた成人式です。
16歳になった男女が宝満山にお参りすると、男性はお金に、女性は良縁に恵まれるという伝説があります。
この宝満山十六詣りを「宝満山弘有の会」を中心に竃門神社・宝満山修験会などが協力して復活させることになり、本校の郷土史研究同好会が参加することになりました。
宝満山十六詣り 事前学習
4月10日(木)に、事前学習としてに「宝満山弘有の会」の代表でもあり本校理事でもある森弘子先生より十六詣りについてや宝満山について学習会も行われました。
また、当時、十六詣りで着られていた衣装の紹介もあり、試着もしました。
男子はテクリと呼ばれる衣装、女子は久留米絣に赤い腰巻きで十六詣りしていました。
当日もこの衣装と出来たばかりの竃門神社の手ぬぐいを巻いて十六詣りに参拝しました。
4月20日(日):宝満山十六詣り
天候は雨。
前日の夜から降り出した雨が続き、あいにくの天候でしたが午後から回復する予報でしたので、実施することになりました。
十六詣りには、郷土史研究同好会の6名と地元の中学生2名が参加。
「宝満山弘有の会」の皆さん、山伏の皆さん、教育委員会の皆さんも同行し、総勢26名で宝満山に登りました。
午前9時に集合し、郷土史研究同好会の生徒たちは、衣装に着替え出発の準備がすすめられました。
新聞社やケーブルテレビ等取材もたくさん訪れていました。
竃門神社にて十六詣りの安全祈願
まずは、安全を祈願して、竃門神社にお参りしました。
竃門神社では、十六詣りの安全と成人になることを祝い祝詞が上げられました。
出発前には山伏の皆さんと一緒に勤行が行われました。
そして、神主さんや巫女さんに見守られ10時30分に竃門神社を出発しました。
途中途中で、宝満山に残る史跡?を「宝満山弘有の会」の方に案内して頂きながら山頂を目指しました。
宝満山十六詣り コース
【登山】
竃門神社 → 六所宝塔跡 → 一の鳥居(2合目) → 休堂跡(3合目) → 殺生禁断碑(5合目) → 吉田屋敷(6合目) → 百段ガンギ → 閼伽の井(7合目) → 中宮跡 → 男道経由 → 上宮(山頂)
【下山】
上宮(山頂) → キャンプ場 → 女道経由 → 再会の木 → 愛敬の岩 → 中宮跡 → 閼伽の井 → 百段ガンギ → 殺生禁断碑(5合目) → 一の鳥居(2合目) → 竃門神社
宝満山十六詣り<登山>
竃門神社出発後、六所宝塔跡に立ち寄りました。
ここには、天台宗延暦寺が建立した宝塔が現存しています。
最澄が日本の六ヶ所に法華経を納めた宝塔を建立することを思い立ち、その没後100年を経て実際にこの地に宝塔が建立されました。
現在、発掘調査が行われており、その実相が明らかになりつつあります。
一行はここで勤行をし、太宰府市教育委員会の方から説明を受けました。
2合目にあたる一の鳥居。ここから十六詣りの本番です。
これから山に入らせていただきます。と山の神様に一礼して一の鳥居をくぐり山頂を目指しました。
3合目の休堂跡で休憩をとり、長い石段が続く百段ガンギを登っていきました。
百段ガンギは名前の通り100段ある石段で、生徒たちも段を数えながら登っていまいた。しかし、このあたりになると出発当時の笑顔やおしゃべりもほとんどなくっていました。
百段ガンギを登りきったところの閼伽の井(7合目)で休憩。
休憩後、さらに登って中宮跡に。
宝満山には、山頂に上宮、7合目と8合目の間に中宮、竃門神社が下宮というように3つの宮があります。中宮跡で、みんなで勤行を行いました。
中宮跡を後にして自然石梵字を見学。
大きな岩に梵字が彫られているのを見ました。
8合目から山頂へは「男道」を通って
自然石梵字を後にして、山頂へは左側から回り込んで登る「羅漢道」、右側から回り込んで登る「女道」、真っすぐ登る「男道」の3つのルートがあります。今回の十六詣りでは、真っすぐ登る「男道」を登りました。
3つのルートの中で一番厳しいルートで、岩をよじ登るような箇所もいくつかありました。
12時45分に無事山頂に到着 参拝・願い事
生徒たちも黙々と登り、12時45分に無事山頂に到着しました。
みんな「着いたー!」と言って笑顔を見せていました。
そして、達成感とその喜びをみんなで分かち合っていました。
ケーブルTVの方々も生徒たちに登りきった感想などインタビューしていました。
一息ついて、上宮で勤行を行い、一人ひとりお参りしました。
そして、短冊に願いごとを書いて、山頂にある拝礼岩のすぐ側にある木に結び付けました。結び終えた木の前でみんなで記念撮影しました。
あいにくの天気ではありましたが、しばらく間、山頂からの景色を楽しみました。
その後、少し下ったキャンプセンターでお弁当を食べ、疲れを癒しました。
キャンプセンターは少し高い位置にあるせいか、まだ、桜が残っていました。
この時間になると天気も回復してきていました。
宝満山十六詣り<女道経由で下山>
30分ほど昼食の時間を取った後は、竃門神社に向けて下山です。
下山は、女道を通っての下山でした。
生徒たちも、お弁当を食べて元気が出たせいか、達成感のせいか、登りの時より笑顔が出ていました。
「愛敬の岩」で恋占いを体験
下山の途中、恋占いができる「愛敬の岩」に立ち寄りました。
目を閉じてその「愛敬の岩」にたどり着けると恋が叶うと言われています。
この恋占いを生徒たちが体験しました。
「右、右、真っすぐ」等と声をかけ合って、恋占いを体験していました。
みんな、上手に「愛敬の岩」にたどり着けていました。
竃門神社に向けて、さらに下山
さら下山していくうちに、雲も晴れてきて、四王寺山や街並が奇麗に見えてきました。
下山は、登りよりも足取りが軽く笑顔やおしゃべりも多く聞こえていました。
一の鳥居に着くと、最後にみんなで、「ありがとうございました」と山の神様にお礼して、竃門神社に向かいました。
竃門神社 到着
竃門神社では、神主さんや巫女さん、「宝満山弘有の会」の皆さんが、出迎えてくれていました。最後に、みんなで勤行をし、記念撮影をしました。
十六詣りが終わった生徒たちにケーブルテレビの方々が十六詣りを終えた感想などをインタビューしていました。
生徒たちも、いい経験が出来たことや達成できたことの喜びを伝えていました。
宝満山十六詣り<成人を祝う直会>
実際に十六詣りが行われていた当時、十六詣りが終わると、村では一人前として迎えられ、お祝いの宴会が行われていました。
このお祝いの宴会も再現され、十六詣りの終わった生徒たちは、宝満山弘有の会、常若の会、太宰府の風を育む会、石村萬盛堂様などのご協力で用意された、赤飯、紅白ナマス、ダブ、漬け物、緋桜餅を振る舞っていただきました。
宴会では、それぞれ十六詣りの感想が語られ、宝満山十六詣りの復活を喜び、今回の十六詣りを締めくくりました。
十六詣りに参加した郷土史研究同好会の皆さん、お疲れ様でした。
大変、貴重な経験ができたことと思います。
あの天候の中で、宝満山に登りきれたことは、本当に素晴らしいことだと思います。
今後、皆さんの前に現れる様々な壁もこの「十六詣り」の時のように、きっと乗り越えられると思います。
この経験を励みに、夢や目標に向かってがんばっていって下さい。
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