文化部の中で最も部員数が多く、進学クラス、特進クラス、特進Sクラス、デザイン科と、全てのコースの生徒が活動している吹奏楽部。それぞれの個性を出し、磨き合っている部活動です。
部長 進学クラス3年生 広田愛美 太宰府西中出身
吹奏楽部は、高校になって初めて吹奏楽を始めたという部員が多いんです。半分以上は、未経験者。私も、その1人です。1年生の途中でフルートに変わりました。みんなより、ちょっと遅いけど頑張ってみようと、先輩達に、随分と教えてもらいました。遅れをとってる分、必死でしたね。
定期演奏会の準備には半年かかります。衣装も自分たちで作ったりしていますし、曲の構成も決めて練習もありますからね。演奏会は毎回、来場者の方にアンケートをとっているんですが、その感想が次の年の励みになるんです。「前の年よりも、いいものを作ろう」そう思って、みんなで力を合わせています。私は、先輩の姿を見て学んできました。部員をまとめること、演奏会の準備などもそうです。吹奏楽部は人数も多いし、コースも違えば、個性もあって、まとめるのは大変です。でも、それぞれ違うからこそ、そこから学べる事がたくさんあると感じています。
副部長 特進クラス3年生 下村竜太郎 甘木中出身
中学生まで吹奏楽の経験はなくて、高校に入学して、友達に誘われて吹奏楽部を見学に行きました。そしたら、とても楽しそうで興味を持ちました。没頭できるし、奥が深い、それに、色々な人と関わりを持って学べますから。
パーカッションを担当していますが、自分なりに演奏できるようになったと思ったのは、2年生の頃でした。1年生の頃は、勉強と部活の両立も大変で、成績もふるわなかったんですよね。でも、2年生になってからは担任の先生の指導もあり、勉強も頑張れるようになりました。部活に一番やりがいを感じていますが、勉強と両立するからこそ意味があると思います。どちらか一方に没頭するのは簡単だと思うんです。そうではなく自分の苦手な事も含めて色々見るのは難しい。だからこそ、どちらも頑張りたいんです。
吹奏楽部の定期演奏会は、今年で5回目を迎えました。毎年、太宰府市中央公民館の市民ホールで行なっていますが、演奏会の舞台に立つ吹奏楽部の生徒は、とても生き生きしています。顧問の西田裕二先生にお話を伺いました。
曲の構成、衣装作りまで、とにかく遅くまで準備していますよ。でも、それが楽しいんですよ、生徒は。「作るのが楽しい」そこに創造性があるんですよ。 曲の構成も生徒が中心になって、決めます。1部2部3部とあって、1部はクラシックが中心なんで僕も加わりますが、2部、3部に関しては、僕は口を出しません。今年は、2部、3部は、全てアップテンポの曲ばかりでしたね。アンケートには、しっとりした曲も1曲くらいあった方がいいという意見もありましたけどね。でも、とにかく、創造性を発揮して欲しいと思いますよ。 準備がどんなに大変で、こっちが「やめい」と言っても生徒はやるから(笑)それほど、好きなんでしょう。まっ、僕自身、吹奏楽部の生徒に対しては顧問という垣根を越えています。仲間という表現が合っているかもしれません。「音楽好きな仲間」音楽を一緒に創り上げている感じです。
聞きに来てくれる人は、学校周辺にお住まいで、主に年配者の方が聞きに来てくれるんですよ。中には、「最初の回から、毎回来てます」と言ってくれる方もいます。今では、ほぼ会場いっぱいにお客さんが入ってくれるようになりましたね。違う会場でもと思いますが、地域の人が応援してくださるから、この会場から離れられないんですよね。それに、アンケートを見ると励みになりますよ。地域の人たちから愛される学園でありたいと思いますし、地域を大切にする部でありたいと思います。
吹奏楽部は音楽の専門学校ではなく、部活動としてやってるわけですから、最終的には、自分自身がどれだけ成長できるかという道具だと思っています。演奏が上手になる事も目標の一つだと思いますが、集団でやってることで何を得られるのか。役割分担があって、それぞれ楽器が違って、やってる事が全然違って、だからそこに、どうやったら協調できるのか。自分は、今どういう立場で何をしたら良いのか。というのが、合奏していてもわかる。その上で、部活動の運営面での役割もあるわけですから。生徒達、ひとりひとりが役割を持ってるわけですよ。小社会という表現が良いかもしれませんね。社会に出る一歩手前の訓練になってると思いますよ。
編集後記
生徒達は、部活動で、先輩や後輩、仲間から、自分とは違った考えを学び、それぞれの役割を果たすという責任感や自主性を身につけているようです。7月20日には、吹奏楽コンクール福岡地区大会に出場する吹奏楽部。3年生は、このコンクールで一段落するようですが、1,2年生には、これまでの先輩の思いを胸に、吹奏楽部の活動をしっかりと受け継いで行って欲しいと願います。来年の定期演奏会が楽しみです。